“吐呑”の読み方と例文
読み方割合
とどん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾輩の背中せなかの毛が靴刷毛くつばけで逆にすられたような心持がする。しばらくは足音もしない。細君を見るとだ口をあいて太平の空気を夢中に吐呑とどんしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
猫などは生涯しょうがいこんな恥をかいた事がない。元来口は音を出すため鼻は空気を吐呑とどんするための道具である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
腹のしにも血の道の薬にもならないものを、はずかしもなく吐呑とどんしてはばからざる以上は、吾輩が金田に出入しゅつにゅうするのを、あまり大きな声でとがてをして貰いたくない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)