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捉
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つら
ふりがな文庫
“
捉
(
つら
)” の例文
彼女は自分の娘婿を
捉
(
つら
)
まえて愚図だとも
無能
(
やくざ
)
だともいわない代りに、毎月彼の労力が産み出す収入の高を健三の前に並べて見せた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
權「世話アやかす奴だな、それ
捉
(
つら
)
まれ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
他
(
ひと
)
から頼まれて男より
邁進
(
まいしん
)
する場合もあった。しかしそれは眼前に手で触れられるだけの
明瞭
(
めいりょう
)
な或物を
捉
(
つら
)
まえた時に限っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とひょろ/\
蹌
(
よろ
)
けながら肩へ
捉
(
つら
)
まる。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人間の内側はどうでも、
外部
(
そと
)
へ出た所だけを
捉
(
つら
)
まえさえすれば、それでその人間が、すぐ片付けられるものと思っているからさ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
今からでもこういう光景を二度三度と重ねる機会は
捉
(
つら
)
まえられるではないかと、同じ運命が暗に僕を
唆
(
そそ
)
のかす日もあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人はまた書斎から飛び出してこの君子流の言葉にもっとも
堪能
(
かんのう
)
なる一人を
捉
(
つら
)
まえて、なぜここへ這入るかと詰問したら
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ことに千代子は
躍起
(
やっき
)
になった。彼女は僕を
捉
(
つら
)
まえて変人だと云った。母を一人残してすぐ帰る法はないと云った。帰ると云っても帰さないと云った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃ何だい、そんな暗い所で、こそこそ御母さんを
取
(
と
)
っ
捉
(
つら
)
まえて話しているのは。おい早く
光
(
あか
)
るい所へ
面
(
つら
)
を出せ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これが世間もっとも普通の商売であると社会から公認されたような態度で、わるびれずに往来の男を
捉
(
つら
)
まえる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夕食後ちょっと散歩に出て帰って来ると、まだ自分の
室
(
へや
)
に
這入
(
はい
)
らない先から母に
捉
(
つら
)
まった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし木戸から
迂回
(
うかい
)
して敵地を突こうとすれば、足音を聞きつけて、ぽかりぽかりと
捉
(
つら
)
まる前に向う側へ下りてしまう。
膃肭臍
(
おっとせい
)
がひなたぼっこをしているところへ密猟船が向ったような者だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小供の時分喧嘩をして、
餓鬼大将
(
がきだいしょう
)
のために
頸筋
(
くびすじ
)
を
捉
(
つら
)
まえられて、うんと精一杯に
土塀
(
どべい
)
へ
圧
(
お
)
し付けられた時の顔が四十年後の
今日
(
こんにち
)
まで、
因果
(
いんが
)
をなしておりはせぬかと
怪
(
あやし
)
まるるくらい平坦な顔である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
父はそれらを
縁側
(
えんがわ
)
へ並べて誰を
捉
(
つら
)
まえても説明を
怠
(
おこた
)
らなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで
妻
(
さい
)
を
捉
(
つら
)
まえて、
紛失
(
ふんじつ
)
した物を手帳に書き付けている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
捉
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“捉”を含む語句
引捉
取捉
捕捉
把捉
択捉
生捉
蛇捉
捉績
電捉
盲捉戯
擇捉島
捕捉滅尽
捕捉殲滅
一捉
捉出
拘捉
利腕捉
不捉