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拉致
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らち
ふりがな文庫
“
拉致
(
らち
)” の例文
むかし平家が
赤直垂衣
(
あかひたたれ
)
の童を京中に
撒
(
ま
)
いて、平家の蔭口をきく者とあれば、すぐ
拉致
(
らち
)
したというような——生ぬるいものではないのだ。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この知らせが李陵の耳に入ったのは半年ほど後のこと、辺境から
拉致
(
らち
)
された一
漢卒
(
かんそつ
)
の口からである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
どうもこの
方々
(
かたがた
)
に
遇
(
あ
)
っては
叶
(
かな
)
いません、と云う風に云い、
斯様
(
かよう
)
に突然押しかけて参るのは失礼だと思ったのですが、全く女ギャングに
拉致
(
らち
)
されて来たのでありまして
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「貴方の心配されたことは杞憂ではなかった」と十郎太は歩きながら云った、「——奸物どもは急に逆手を打って、昨夜この屋敷へ踏ん込み、伯父をどこかへ
拉致
(
らち
)
したそうです」
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ただし惜しむらくは、これが実現上、識者に図るところなく、熟考を軽率にして、不用意にも独断をもって、ひそかに京師の陶工一、二を
拉致
(
らち
)
し、必然的に成就を夢のごとく見
素人製陶本窯を築くべからず:――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
それとも
拉致
(
らち
)
された佐々砲弾の後を追うべきだろうか?
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もっとも能登ノ介清秋が宮方の手に
拉致
(
らち
)
されて行った風聞はもう島々に高かったから、それ一つでも士気の
沮喪
(
そそう
)
はやむをえないことではあった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方の軽武装した若侍は、まだ逃げもせず、血刀をさげて茫然と立っていたから、すぐ新田兵の怒りの中に押し
揉
(
も
)
まれつつ、鶴ヶ岡の内へ
拉致
(
らち
)
されて行った。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、野霜の老夫婦は、
拉致
(
らち
)
して来なかった。どうしたかと訊ねると、翁と媼は、一間を清掃し、枕をならべて、眠るように、自害していたというのである。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盧俊儀のかつての
店舗
(
てんぽ
)
と住居の一
廓
(
かく
)
は、あれよというまもなくぶち
壊
(
こわ
)
され、番頭の
李固
(
りこ
)
と、
盧
(
ろ
)
の妻の
賈氏
(
こし
)
は、逃げも隠れもできないうちに、どこへとも
拉致
(
らち
)
されて行った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、それらの叛骨と野望しかない武将どもに、
拉致
(
らち
)
されて行ったとも見える急だった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一 明朝、寝込みに、或いは都合によって夕刻、すべての証拠がため整い次第に、東儀与力自身、奉行
直筆
(
じきひつ
)
の
差紙
(
さしがみ
)
をふところにして、富武
五百之進
(
いおのしん
)
の屋敷に赴き、塙郁次郎を御用
拉致
(
らち
)
すること
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、その日の六波羅検挙は、こう二人の朝臣の
拉致
(
らち
)
だけに止まった。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや裸にされるなどはまだいい方で人質に
拉致
(
らち
)
されてゆく者もあった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの
午
(
ひる
)
ごろ、洛内洛外の境、
羅生門
(
らしょうもん
)
の守りについていた
検非違使
(
けびいし
)
の手の者と、佐藤義清の使いの男とが、
喧嘩
(
けんか
)
して、義清の召使は、
拉致
(
らち
)
されて行ったということを——たった今、耳にしたのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“拉致”の解説
拉致(らち)とは、略取及び誘拐、強制失踪させる行為のこと。
(出典:Wikipedia)
拉
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
致
常用漢字
中学
部首:⾄
10画
“拉”で始まる語句
拉
拉甸
拉丁
拉典
拉薩
拉摩
拉殺
拉典語
拉甸区
拉的野鶏