ぶッ)” の例文
舷へ手をかけて、神様のような顔を出して、何にもねえ、八方から波をぶッつける暗礁かくれいわがあるばかりだ、迷うな、ッていわしった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云われてまご/\して彼方あっちぶッつかり、此方こっちへ突当って滑ったり、たらいの中へ足を突込つッこんで尻もちをつくやら大騒ぎで
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大鷲おおわしつばさ打襲うちかさねたるおもむきして、左右から苗代田なわしろだ取詰とりつむる峰のつま一重ひとえ一重ひとえごとに迫って次第に狭く、奥のかた暗く行詰ゆきつまったあたり、ぶッつけなりの茅屋かややの窓は、山が開いたまなこに似て
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火には追掛おっかけられるようだよ、あぶねえともあぶねえとも、あんな何うも先の尖った鳶口を担いで駆けていやすから、頭へでもぶッつけられて怪我でもしては大変ていへんでがんす、旦那さん何処へ逃げやすか
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
追掛けようとする野良をからかさでばッさり留めて、橋袂はしたもとえのきぶッつかりそうな八さんを
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)