打笑うちえ)” の例文
年は廿七とか、たけ高く、女子の中にもかゝる美しき人はあまた見がたかるべし、物言ひ打笑うちえむとき頬のほどさと赤うなる。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
(と打笑うちえみ)かけひの下に、ありのみひやしてござんす、上げましょう。(と夕顔の蔭に立廻る。)
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こたへるとかれ莞爾につこ打笑うちえみ、こも/″\三人みたり握手あくしゆして、其儘そのまゝ舷梯げんていくだり、先刻せんこくから待受まちうけてつた小蒸滊船こじやうきせんうつすと、小蒸滊船こじやうきせんたちまなみ蹴立けたてゝ、波止塲はとばかたへとかへつて
殿様は御機嫌よろしく打笑うちえまれまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひそかに我腕を我と握りて打笑うちえみたり。
良夜 (新字新仮名) / 饗庭篁村(著)
と、さびしげに姉は打笑うちえんだ。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『これ、水兵すいへい少年せうねんひど疲勞つかれる、あまりさわいではいかぬ』と打笑うちえみつゝ
棄鞭すてむち遁構にげがまえで、駒のかしら立直たてなおすと、なお打笑うちえ
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と奉行は打笑うちえまれまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『それです』と大佐たいさ莞爾につこ打笑うちえみつゝ
(また打笑うちえむ。)
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)