手堅てがた)” の例文
岡つ引にしては少し手堅てがた平常着ふだんぎの儘、先づ四町四方もあらうかと思ふやうな板塀の外をグルリと一と廻りしてみました。
かまへ居ども町役人などの申には至て手堅てがたき者の由其上舊來きうらいの家來と言老功らうこうの者なれば萬事の取締りには至極しごくよろしからんに此儀は其もとの心得違ひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくしのところにまいる信者しんじゃなかでは、この人達ひとたちなどが一ばん手堅てがたかったほうでございまして……。
「市五郎は人相は惡いが手堅てがたい男だ。徳松はなか/\の道樂者だと言つたな」
云ふにも十八年の間の事なれば此金をみなかへすとも利足ひきたらず殊に文右衞門は豫々かね/″\手堅てがた氣象きしやうゆゑ利足と云ては請取うけとる間敷まじきにより全く禮の心で肴代さかなだいとでも名を付廿五兩も遣はさばしかるべしすれば殘りの廿五兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
受取に到りて駿すん府町の問屋とひやなる常陸ひたち屋佐兵衞と云者の方へ泊りし所佐兵衞がせがれに佐五郎といふものありて歳も同じ頃なれば心やすく致しけるに佐五郎思ふにはかく懇意こんいには致せども文藏事は餘りに手堅てがたく何時も金錢を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)