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憧憬
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しようけい
ふりがな文庫
“
憧憬
(
しようけい
)” の例文
憧憬
(
しようけい
)
とか、小さな自己肯定とか、乃至は思ひ上つた天才らしい自意識とかに陥つて、自分の実体をすら本当に考へることが出来なくなる。
エンジンの響
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
序
(
ついで
)
につけ加へて置くが、さう云ふ次第だから僕は昔の事を小説に書いても、その昔なるものに大して
憧憬
(
しようけい
)
は持つてゐない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
悩ましい、どうしようもない、悲しい一日々々を重ねた。しかし、彼の内部に一度巣くつた
憧憬
(
しようけい
)
は、やがてまた新らしい形となつて頭を
擡
(
もた
)
げ初めた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
時
(
とき
)
の
流行
(
りうかう
)
といへば、
別
(
べつ
)
して
婦人
(
ふじん
)
が
見得
(
みえ
)
と
憧憬
(
しようけい
)
の
的
(
まと
)
にする……
的
(
まと
)
となれば、
金銀
(
きんぎん
)
相
(
あひ
)
輝
(
かゞや
)
く。
弓
(
ゆみ
)
を
學
(
まな
)
ぶものの、
三年
(
さんねん
)
凝視
(
ぎようし
)
の
瞳
(
ひとみ
)
には
的
(
まと
)
の
虱
(
しらみ
)
も
其
(
そ
)
の
大
(
おほ
)
きさ
車輪
(
しやりん
)
である。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分一個の空想と
憧憬
(
しようけい
)
とが導いて行く好き勝手な夢の国に、自分の心を逍遥させるまでの事である。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
彼女は私の過去の生命の
象徴
(
しるし
)
のやうに思はれた。そして今私が會ひに行く爲めに身を飾らうとしてゐる彼は、私の知らざる未來の日の不安な、しかし
憧憬
(
しようけい
)
の表象である。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
自分には死の恐怖が無いと同時にマインレンデルの「死の
憧憬
(
しようけい
)
」も無い。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
憧憬
(
しようけい
)
したのにすぎなかつたかもしれぬ
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
地面は、燃えるやうな
憧憬
(
しようけい
)
を持つた青年を新らしく主人に迎へて喜こび、且つ彼を愛してゐるやうでもあつた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
僕の経験するところによれば、今の小説の読者といふものは、
大抵
(
たいてい
)
はその小説の筋を読んでゐる。その次ぎには、その小説の中に
描
(
か
)
かれた生活に
憧憬
(
しようけい
)
を持つてゐる。
小説の読者
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
餓
(
う
)
やされたる心の
寂寥
(
せきれう
)
から起つて来る
憧憬
(
しようけい
)
、これは実は一つであるのではないか。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
たつた一人で過す多くの夜を、その窓に
倚
(
もた
)
れて、彼は
幾度
(
いくたび
)
か/\自分の仕事、自分の将来についていろ/\に思ひを
馳
(
はし
)
らせた。そんな時、いつも彼の心の
中
(
うち
)
には抑へきれない
憧憬
(
しようけい
)
が波うつてゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
“憧憬”の意味
《名詞》
憧 憬(しょうけい、どうけい)
憧れること。
(出典:Wiktionary)
憧
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
憬
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“憧憬”で始まる語句
憧憬家
憧憬心
憧憬者
憧憬讃美