性根しやうね)” の例文
あきがほてのひらでべたりとでる。と此処こゝ一人ひとりつてるほど性根しやうねすはつたやつ突然いきなり早腰はやごしかさなんだが、おほふて、おもてそむけて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鶴吉も、帰つて来たら少し性根しやうねのゆくだけ云つてやらなければならないと思つて居ると、姉の所で預つてゐる女の子がせきこんで戸を開けて這入つて来た。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
弓矢の上にこそ武士の譽はあれ、兩刀捨てて世を捨てて、悟り顏なる悴を左衞門は持たざるぞ。上氣じやうきの沙汰ならば容赦ようしやもせん、性根しやうねを据ゑて、不所存のほどあやまつたと言はぬかツ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
近く召れ敵は吾助と見屆みとゞけながら打洩うちもらしぬる事殘念ざんねんなり汝は幼少より家に仕へて性根しやうね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お前は性根しやうねを何処へ置いて来たとからかはれながらも遊びの中間は外れざりき。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
繼母のお春は、弱氣で臆病で風が吹けば飛ぶやうに見えるが、性根しやうねの確かりした女で、元が元だけに、隨分男出入りもあつたらしく、現にこの間殺された主人の弟孫三郎も、昔お春が商賣を
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
隣のおやぢには、性根しやうねがある。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
まへ性根しやうね何處どこいてたとからかはれながらもあそびの中間なかまはづれざりき。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)