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ここち
ふりがな文庫
“
心持
(
ここち
)” の例文
可笑
(
おか
)
しな事申すやうではあれど色々の男と寝たことある私、つひにない事、はつと思つて手を引き候とたん何とも申さうやうのない
心持
(
ここち
)
致し
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
沢は
此方
(
こなた
)
の
側伝
(
かわづた
)
ひ、鍵屋の店を
謎
(
なぞ
)
を見る
心持
(
ここち
)
で
差覗
(
さしのぞ
)
きながら、一度
素通
(
すどお
)
りに、霧の中を、
翌日
(
あす
)
行く方へ
歩行
(
ある
)
いて見た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうち自分は何か重い重いある物を胸にかかえているような
心持
(
ここち
)
がして、そのまま足を運ぶことはできなくなって、自分はなお深い呼吸をいくたびか続けてから
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
歌麿は、夢に夢見る
心持
(
ここち
)
で胸を暗くしながら、家主の指図に従って、落度のないように支度を整えると、人に顔を見られるのさえ苦しい思いで、まず自身番まで出向いて行った。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今さら何をする気分もないのでひたすらにボンヤリしてゐると、ただ重く、ただ暗闇が詰まつてゐて、溜息の洩らしやうもないのである。いつもながら、気を失つてしまふやうな
心持
(
ここち
)
がしてゐる。
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
と
籠勝
(
こもりがち
)
な道子は面白いものを見もし
聞
(
きき
)
もしするような、物珍らしい、楽しみな、時めくような
心持
(
ここち
)
もして、早や大巌山が
幌
(
ほろ
)
に近い、西草深のはずれの町
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御幣ははるかに、不思議に、段々
汀
(
みぎわ
)
を隔るのが心細いようで、気も
浮
(
うっ
)
かりと、紫玉は、
便
(
たより
)
少ない
心持
(
ここち
)
がした。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御幣
(
ごへい
)
は
遙
(
はるか
)
に、不思議に、段々
汀
(
みぎわ
)
を
隔
(
へだた
)
るのが心細いやうで、気も
浮
(
うっ
)
かりと、紫玉は、
便
(
たより
)
少ない
心持
(
ここち
)
がした。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
軒下の身を引く時、目で
引
(
ひき
)
つけられたような
心持
(
ここち
)
がしたから、こっちもまた
葭簀越
(
よしずごし
)
に。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は思わず
後
(
あと
)
へ
退
(
さが
)
った。葉は落ちつつも、柳の茂りで、滝に巻込まれる
心持
(
ここち
)
がした。気の
迷
(
まよい
)
と思ったが、実はお悦が八郎を
引
(
ひっ
)
ぱたいた瞬間にも、舞台の端をちょこちょこと古い福助が
駈
(
か
)
けて通った。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心算
心細
心得
心底
心臓
心許
心遣