後甲板こうかんぱん)” の例文
船長せんちやう一等運轉手チーフメートうしなつて、船橋せんけうあがり、くだり、後甲板こうかんぱんせ、前甲板ぜんかんぱんおどくるふて、こゑかぎりに絶叫ぜつけうした。水夫すゐふ
後甲板こうかんぱんには、ロシアの役者が大ぜい乗っていた。それが男は、たいてい、うすぎたない日本の浴衣ゆかたをひっかけている。
出帆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
時は八月の九日午後二時——三時、ところは横浜を北へ去る少くとも五百海浬かいりの海上、今やまさに津軽つがる海峡の中間を進行しつつある観光船高麗丸の後甲板こうかんぱん
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
兵曹姿の清少年と、紺色の水兵服セーラーをきた燁代さんは、武田博士に連れられて、まだうす暗いうちに後甲板こうかんぱんへ出た。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
さら驚愕おどろいたのは、船橋せんけう船長せんちやう後甲板こうかんぱん一等運轉手いつとううんてんしゆ二等運轉手にとううんてんしゆ三等運轉手さんとううんてんしゆ水夫すゐふ火夫くわふ見張番みはりばん一同いちどう顏色がんしよくうしなつて、船首甲板せんしゆかんぱんかたはしつてた。
旗艦の後甲板こうかんぱんからは、勇ましい中に悲しいひびきがこもる『別れの曲』が聞えて来た。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
べうならず、後甲板こうかんぱん
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)