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強面
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こわもて
ふりがな文庫
“
強面
(
こわもて
)” の例文
いずれは、うんと言って頂かなきゃルチアノの顔が立たねえが、そんな
強面
(
こわもて
)
は百万だら並べたところで、先生にゃ
効目
(
ききめ
)
もありますまい。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
又蔵は
忌々
(
いまいま
)
しいのと、一方には提重の女からいじめられる苦しさとで、だんだん
強面
(
こわもて
)
に平助に迫るので、こちらもうるさくなって来た。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
強面
(
こわもて
)
の合力を申し入れるか、或いは身ぐるみ脱いで置いて行けとかの型になるのだが、その事はなく、高笑いした仏頂寺は存外なごやかな声で
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これを無条件に礼讚せざるものは、健全な日本文化人に非ずという
強面
(
こわもて
)
をもって万葉文学、王朝文学、岡倉天心の業績などが押し出されたのであった。
今日の文学の展望
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
富豪の人身攻撃から段々に
強面
(
こわもて
)
の名前を売り出し
懐中
(
ふところ
)
の暖くなった
汐時
(
しおどき
)
を
見計
(
みはから
)
って妙に紳士らしく上品に構えれば、やがて国会議員にもなれる世の中。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
いつも此話しの始まりし時は青筋出して
疊
(
たゝみ
)
をたゝくに、はて身知らずの男、醫者になるは芋大根つくりたてるとは
竪
(
たて
)
が違ふぞとて、作助は眞向より
強面
(
こわもて
)
の異見に
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「おおおお六やどうしたものだ。そう
強面
(
こわもて
)
に
嚇
(
おど
)
すものじゃねえ。相手は娘だジワジワとやんな」
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とても五百石とはいかねえが、一家七人
安気
(
あんき
)
に喰えるようなところへ、取りつかせて見せます。
身装
(
なり
)
は悪いが、これでなかなか
強面
(
こわもて
)
がきく。大名も小名も、みな手前の朋友のようなもんです。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そなたの母御を屋敷に招いて、さまざまうまいことを並べた末、
操
(
みさお
)
を任せなば、父御の罪科を、何ともいいこしらえて、のがれ得させようとの
強面
(
こわもて
)
——そのときの、母御のおくるしみ、お歎きは
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「金にあかしてこしらえたものも、こうやって二束三文に手離しておしまいなさるんですよ。お気の毒さまですね、お邸こそ
以前
(
もと
)
のままですけれど、おはなしになりませんやね。いまじゃ米屋が
強面
(
こわもて
)
で催促していることもありますものね」
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
強面
(
こわもて
)
は
気障
(
きざ
)
だね」
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを知らない六蔵は又ぞろ彼を近所の料理屋へ連れ込んで、半分は
強面
(
こわもて
)
でおどしているところを、あたかも半七に見つけられたのであった。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
矢張り女が昔から金で支配され得るものであった社会関係をいまは女が自分の方から
強面
(
こわもて
)
に男に差向けてゆく、そう云う関係が露骨に出ていると思います。
女性の生活態度
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
兵馬は心苦しくも、こうして
性質
(
たち
)
の悪い
強面
(
こわもて
)
を試みると、
件
(
くだん
)
の覆面はいよいよ神妙に
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
強面
(
こわもて
)
に中学校を出たのは翰とわたしだけであろう。わたしの事はここに言わない。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
なにか
強面
(
こわもて
)
に嚇かしていたようで、二人が帰ったあとで若主人は蒼い顔をして居りました。
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
胡坐
(
あぐら
)
を組み直して
強面
(
こわもて
)
にかかろうとするのを、お角は笑いながら
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“強”で始まる語句
強
強請
強情
強力
強靱
強飯
強盗
強者
強靭
強談