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建直
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たてなほ
既に
去る
寛保年中、
一時の
窮を
救はむため、
老職の
輩が
才覺にて、
徳川氏より
金子一萬兩借用ありしほどなれば、
幼君御心を
惱ませ
給ひ、
何とか
家政を
改革して
國の
柱を
建直さむ
得たれば
江戸風に氣が
利て居るとか云れて
評判よく
少光陰の中に仕出して
段々と
普請も
建直し今にては
勿々立派なる
身上になりしといふ
金毘羅へ行たる者が歸りての
咄しなり丸龜にて江戸屋清兵衞と云ば一番の
旅宿だと云事なれば
歡び
旁々尋ね度は思ひしか共五日や十日にては