延棒のべぼう)” の例文
さし出し夫より四邊あたり立働たちはたらひまかたはらに立掛ありし鐵の延棒のべぼう故意わざと足にて蹴倒けたふし見るに少しもうごかず因て彌助は目方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
重い金の延棒のべぼうや、十リットルもある金粉を取り出し、それを部屋の薄暗い隅っこから持ち出して来て、土牢のような窓からし込む一筋の、明るい、細い日光に当てて見るのでした。
「さよう金塊が釣るしてある。つまり火災にった時など、改めて建立しなければならない。その時の費用にするために、随分昔から黄金きん延棒のべぼうが、天井に大切に釣るしてあるのだ」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
老人は、孫を促して小屋へ引き返すと、キラキラ光る錫の延棒のべぼうを出して云った。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
たけ仙蔵せんぞうも、きん延棒のべぼうせたよりもはら得意とくいで一ぱいになっていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
頼み置かれよまた燒酎せうちう鷄卵たまご白木綿等しろもめんとうの用意を頼むなり其入用は某しが出すべしとて後藤は路金を胴卷どうまきまゝ亭主に預けおき悉皆こと/″\く用意を申し付て強刀がうたうたいし鐵の延棒のべぼう引提ひつさげ熊谷堤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見渡すに夜中の事ゆゑ夫なりと目當めあては知ねど女の聲ヤヨ人殺し/\助け給へと叫ぶにぞさてこそ惡漢御參んなれと猶一さん馳着はせつきて用意の延棒のべぼうを追取直してをどりこみて女房をおさへたる惡漢どもを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)