“小鼠”の読み方と例文
読み方割合
こねずみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄く照して来る荒物屋の店のかげでお涌がすかして見ると、小さい生きものは、小鼠こねずみのやうな耳のある頭を顔中口にして、右へ左へ必死にみつかうとしてゐる。
蝙蝠 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
岡田は草稿をふところぢ込んで、机の所へ小鼠こねずみのやうに走り戻つて、鉄の文鎮ぶんちんを手に持つた。そして跣足はだしで庭に飛び下りて、植込うゑごみの中をくゞつて、へいにぴつたり身を寄せた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……灰色はひいろ禿げた古鼠ふるねずみが、八九疋はつくひき小鼠こねずみをちよろ/\とれてて、日比谷ひびや一散歩ひとさんぽつたつらで、をけぐらゐに、ぐるりと一巡ひとめぐり二三度にさんどして、すましてまたえんしたはひつてく。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)