トップ
>
寝鎮
>
ねしず
ふりがな文庫
“
寝鎮
(
ねしず
)” の例文
旧字:
寢鎭
日中ならすぐ人に見とがめられるし、病人も気が付くから、これは、夜中人の
寝鎮
(
ねしず
)
まった時の仕業に相違ない、とこう申すのでございます。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時はもう雪も止んで、十四日の月が
皎々
(
こうこう
)
として
中天
(
ちゅうてん
)
に懸っていた。通りの町家は皆
寝鎮
(
ねしず
)
まっていた。前を見ても後を見ても、人通りはない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
お君としては、兵馬の
寝鎮
(
ねしず
)
まるのを待って、用意の上に用意しての覚悟でありました。けれども、油断なき兵馬の心に乗ずることができませんでした。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それからモー
一
(
ひと
)
つ
申上
(
もうしあ
)
げて
置
(
お
)
きたいのは、あの
願掛
(
がんが
)
け……つまり
念入
(
ねんい
)
りの
祈願
(
きがん
)
でございまして、これは
大
(
たい
)
てい
人
(
ひと
)
の
寝鎮
(
ねしず
)
まった
真夜中
(
まよなか
)
のものと
限
(
かぎ
)
って
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
気のせいか知れないけれども、病院中がヒッソリと
寝鎮
(
ねしず
)
まっている中に、玄関の方向から特等室の前の廊下へかけては、何かしらバタバタと足音がしているようである。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
渠はしばらく
惘然
(
ぼうぜん
)
として佇みぬ。その心には何を思うともなく、きょろきょろとあたりを
眗
(
みまわ
)
せり。幽寂に造られたる平庭を前に、縁の雨戸は長く続きて、家内は全く
寝鎮
(
ねしず
)
まりたる
気勢
(
けはい
)
なり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから二た刻ばかり、江戸の街々もすっかり
寝鎮
(
ねしず
)
まった頃、平次は横山町の自身番を覗きました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして一家が
寝鎮
(
ねしず
)
まった十二時頃を見計って
杉扉
(
すぎど
)
の鍵を開けたが、想像の通り、器械イジリに慣れている一知にとって、旧式の鍵を外すくらいは何でもない事であった。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「もっとも皆んな
寝鎮
(
ねしず
)
まってから、脱け出そうと思えば、誰でも自由に脱け出せますがね」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
近所
隣家
(
となり
)
は
寝鎮
(
ねしず
)
まった、深夜の淋しい横町である。ほかには誰も居ない空屋同然の家の中で、
両切
(
りょうぎり
)
を吹かしながらその禿頭を睨んでいた犯人の気持は誰しも想像出来るであろう。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母屋
(
おもや
)
の雨戸の掛金を内側から
外
(
はず
)
しておく事や、
土蔵
(
くら
)
の鍵だの、蝋燭だのいうものを用意しておく事であったろうと思われるが……それから呉一郎は家中が
寝鎮
(
ねしず
)
まるのを待って母屋へ忍び込んで
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
鎮
常用漢字
中学
部首:⾦
18画
“寝”で始まる語句
寝
寝衣
寝台
寝床
寝覚
寝室
寝転
寝惚
寝所
寝呆