“ねしず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝鎮55.0%
寝静25.0%
寐静10.0%
寐鎮5.0%
眠静5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時はもう雪も止んで、十四日の月が皎々こうこうとして中天ちゅうてんに懸っていた。通りの町家は皆寝鎮ねしずまっていた。前を見ても後を見ても、人通りはない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
家内かないひとたちが寝静ねしずまってしまった真夜中まよなかごろ、ひときて、チャン、チャンとはたっていました。
はまねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
一石橋で赤熊に逢って、浮世を思捨てるばかり、覚悟して取って返した時は、もう世間もここも寐静ねしずまっていた上に、お孝は疲れた、そして酔ってもいた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御祭がの十二時を相図あいずに、世の中の寐鎮ねしずまる頃を見計って始る。参詣人さんけいにんが長い廊下を廻って本堂へ帰って来ると、何時の間にか幾千本の蝋燭そうそくが一度に点いている。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
息子むすこは、あたりが、すでに眠静ねしずまった真夜中まよなかごろ、一人ひとり広場ひろばにやってきますと、はたしてさびしいつきひかりが、くさをばらしていました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)