寐静ねしず)” の例文
いよいよ明日あすが手術という夜は、みんな寐静ねしずまってから、しくしくのように泣いているのを、手水ちょうずに起きた娘が見つけてあまり不便ふびんさに抱いて寝てやった。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一石橋で赤熊に逢って、浮世を思捨てるばかり、覚悟して取って返した時は、もう世間もここも寐静ねしずまっていた上に、お孝は疲れた、そして酔ってもいた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)