守護神まもりがみ)” の例文
しかしこれは人をあやめるものではなく、仏さまの守護神まもりがみであることを爺は知つてゐますので、ちつともこはいとは思ひませんでした。
天童 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
「おや、これは八幡さま——わたしは、八幡さまが守護神まもりがみ——ねえお前は、この、お鳥居前で待っていておくれ——御参詣ごさんけいをして来ますから——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
彼はつとに起信して、この尊をば一身一家いつけ守護神まもりがみと敬ひ奉り、事と有れば祈念をこらしてひとへに頼み聞ゆるにぞありける。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして王子は一生のあいだ、あのくろ着物きもの白髯はくぜん老人ろうじんを、自分の守護神まもりがみとしてまつりました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
……あの老尼は、お米さんの守護神まもりがみ——はてな、老人は、——知事の怨霊おんりょうではなかったか。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あの木像こそ他ならぬ窩人族の守護神まもりがみじゃ。彼らの祖先宗介じゃ。窩人どもの族長じゃ。族長の持っている得物えものをもって、他の族長を討つ以外には、妖婆を討ち取る手段はない」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
戰士いくさひと守護神まもりがみ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜汽車よぎしやが、芽峠めたうげほたるんで、まどには菖蒲あやめいたのです——ゆめのやうです。………あの老尼らうには、およねさんの守護神まもりがみ——はてな、老人らうじんは、——知事ちじ怨靈をんりやうではなかつたか。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
戦士いくさびと守護神まもりがみ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)