如法によほふ)” の例文
が、こともおろかや如法によほふ荒海あらうみあまつさ北國日和ほくこくびよりと、ことわざにさへふのだから、なみはいつもおだやかでない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
車上しやじやうひと肩掛かたかけふかひきあげて人目ひとめゆるは頭巾づきんいろ肩掛かたかけ派手模樣はでもやうのみ、くるま如法によほふぐるまなり母衣ほろゆきふせぐにらねば、洋傘かうもりから前面ぜんめんおほひてくこと幾町いくちやう
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
如法によほふこれ等の輩に向ひては、應用評判をしりぞけて、純粹評判を勸むる逍遙子が言、大に開發の功を秦するなるべし。然はあれど必ず用を問はじといふも科學的手段を講ずるものゝ迷ならまし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そそりたつ此大都會、如法によほふ樂欲げうよく光華くわうくわ游狎いうかふとなり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
如法によほふの闇の寂しさを耀かがやき映す
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
一人は如法によほふの變屈ものにて一日部屋の中にまぢ/\と陰氣らしきむまれなれど、姉のお花は皮薄の二重あごかわゆらしく出來たる子なれば、美人といふにはあらねども年頃といひ人の評判もよく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)