大橋おおはし)” の例文
「なる程、備前岡山は中国での京の都。名もそのままの東山ひがしやまあり。この朝日川あさひがわ恰度ちょうど加茂川かもがわ京橋きょうばし四条しじょう大橋おおはしという見立じゃな」
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
大橋おおはしさんの言う通りにこの三百五十五両を半価にせよとか百両にせよとかえば、時節柄有馬ありま家では承知するであろう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「これを大橋おおはしのところへもっていけ。そうすると、きさまがまた長崎ながさきへでてくるのにつごうがよいだろう。」
千住せんじゅ大橋おおはしで真ん中になる丸太まるたを四本、お祭りの竿幟のぼりにでもなりそうな素晴らしい丸太を一本一円三、四十銭位で買う、その他お好み次第の材料が安く手に這入りました。
御身おみと同然に、愚僧御司配ごしはい命令おおせこうむり、京都と同じ日、づ/\同じ刻限に、江戸城へも事を試みる約束であつたれば、千住せんじゅ大橋おおはし、上野の森をひとのしに、濠端ほりばたの松まで飛んで出た。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
東山の高さから洛内らくないをながめても、炎天のうちは、大路おおじ大橋おおはしを往く人影もなく、かわきぬいた町家の屋根はりかえり、加茂川の水はれほそって、どての柳もほこりに白くうなだれた列としか見えない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛文かんぶん十年の夏、甚太夫じんだゆう喜三郎きさぶろうと共に、雲州松江の城下へはいった。始めて大橋おおはしの上に立って、宍道湖しんじこの天にむらがっている雲の峰を眺めた時、二人の心には云い合せたように、悲壮な感激が催された。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ソリャうでない、今日わたすと云う約束だからこの金は渡さなくてはならぬと云うと、大橋おおはしは脇の方にむい
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)