大和錦やまとにしき)” の例文
広津ひろつと知つたのは、廿にぢう一年の春であつたか、少年園せうねんゑん宴会ゑんくわい不忍池しのばず長酡亭ちやうだていつて、席上せきじやう相識ちかづきつたのでした、其頃そのころ博文館はくぶんくわん大和錦やまとにしきふ小説雑誌を出して
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すると三尺の開口ひらきぐちがギイーとき、内から出て来ました女はお小姓姿、文金ぶんきん高髷たかまげ、模様はしかと分りませんが、華美はでな振袖で、大和錦やまとにしきの帯を締め、はこせこと云うものを帯へ挟んで居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただ、眼もきらびやかな大和錦やまとにしき、それから紅白の緞子どんす
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
二十二年の十月発行の廿にぢう七号を終刊しうかんとして、一方いつぱうにはみやこはなが有り、一方いつぱうには大和錦やまとにしきが有つて、いづれもすこぶ強敵きやうてき版元はんもと苦戦くせんのちたふれたのです、しかし、十一月にまた吉岡書籍店よしをかしよじやくてんもよふし
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)