大切でえじ)” の例文
多「又かねえと母親おふくろに叱られますからめえりやすべえ、叔父さん、これから段々寒くなりやすから、身体を大切でえじにしておくんなんしよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
他に恩返おんげえしの仕様がねえから、旦那様を大切でえじに思って、不寝ねずに奉公する心得だが、貴方あんたは今の若さで遊んでいずに、何処かへ奉公でもしたら宜かろう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
親から貰った大切でえじな身体に疵うつけて、不具かたわになるものが有るでがす、実にはアなさけねえ訳だね、それもみんな此の皿のとがで、此の皿のうちは末代までも止まねえ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「なに心配しんぺえしねえでも宜い、私アけえってまたあとから金右衞門きんえもんどんとこの婆アさまが来ると云ったが、おめえる年じゃアあるし、大切でえじにしなけんばなんねえからね」
めえは今迄まアほかの女と違って信実なもんで、おらうち縁付かたづいても惣次郎を大切でえじにして、しゅうとへは孝行尽し、小前こめえもんにも思われるくれえで、流石さすが武家さむれえさんの娘だけ違ったもんだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私が此の二十枚の皿を悉皆みんな打砕ぶっくだいたが、二十人に代って私が一人死ねば、あとの二十人は助かる、それに斯うやって大切でえじな皿だって打砕ぶちくだけばもと土塊つちッころだ、金だって銀だって只形を拵えて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おさだが可愛相だよ……お父さんの身を貴方あんた、心にかけて大切でえじにしなんしよ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ナニ木場まで遣ってくれ、御飯おまんまは食わせるよ、へえ有難うごぜえやすッてんで、二分ずつの祝儀だからうめえと思ってると、大黒屋でえこくやへ紙入を忘れて来て、金は宜いが書附が大切でえじだと仰しゃるから
去年の暮などは忙しい中を態々わざ/\来てくれて、わし小遣こづけえを一両呉れましたが、それも是もみんな御主人さまのお蔭だから、御主人さまの御恩を忘れねえで奉公を大切でえじにしろと云いつけて遣りましたよ