壮丁そうてい)” の例文
旧字:壯丁
孔明はかねてから新野しんやの戸籍簿を作って、百姓の壮丁そうてい徴募ちょうぼしておいた。城兵数千のほかに、農兵隊の組織を計画していたのである。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壮丁そうていは使丁にとられ、糧食は徴発、海辺の村々は船の製造、再び諸国は疲弊して、豊臣の名は万民怨嗟の的となる。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
前にいった轎夫きょうふ賃銭ちんせんは金銭で計算されるが、壮丁そうていの僕に対する好意は金銭をもって換算かんさんできぬものである。しかしてこれが一番貴重きちょうなる務めである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
するとそこでは平素から不逞ふていの志をいだいていた壮丁そうていたちが、ひそかに銃器の手入れや竹槍の用意やをしている。近藤巡査とその同僚たちとは直ちに彼らをひっ捕えた。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
尤も過ぎたるは尚お及ばざるが如しで、内米の消費節約は代々組織的にやっている結果、奈良県は一般に壮丁そうていの体格が悪いという評判です。何うもこゝの人は妙に遠慮深くて困りますよ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
二十四時間にその管下に集まらなければならない壮丁そうていたちは、父母妻子に別れを告げる暇もなく、あるは夕暮れの田舎道に、あるは停車場までの乗合馬車に、あるは楢林ならばやしの間の野の路に
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
壮丁そうていという壮丁は続々国境に向いつつあった。出征する兵士の並木街を通るような光景が既に二日ばかりも続いた。はや独逸軍の斥候せっこうが東仏蘭西の境を侵したという報知しらせすら伝わっていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幸いに壮丁そうてい検査に第二乙で免れたと。明日からする。為事をする。(二四)
また、奇兵隊の雑兵ぞうひょうから身を起こして、未来の国士を夢みていたのも、この壮丁そうていの中には一人や二人あるはずだ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私どもがかつぎましょう。もっとも轎夫きょうふとしては御免ごめんですが、壮丁そうていとしてなら参りましょう」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ついには、兵を徴しても、応じる壮丁そうていもないような有様である。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余のためにかごかついだ壮丁そうていの好意
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)