坂上さかがみ)” の例文
ばれた坂上さかがみは、こゑくと、外套ぐわいたうえりから悚然ぞつとした。……たれ可厭いやな、何時いつおぼえのある可忌いまはしい調子てうしふのではない。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ほそふえで、やがて木賃宿きちんやど行燈あんどうなかえるのであらうと、合點がつてんして、坂上さかがみやゝものひがおだやかにつたのである。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことば引向ひきむけられたやうに、三にんならんだ背後うしろひろつて、坂下さかしたから、うへまちへ、トづらりとると……坂上さかがみ今夜こんやはじめてみちとほるのではない。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)