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四隣
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しりん
ふりがな文庫
“
四隣
(
しりん
)” の例文
そして今や、
白面
(
はくめん
)
二十六歳の青年にして、すでに上杉家随一の
器量者
(
きりょうもの
)
と、
四隣
(
しりん
)
に存在を知られている。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主人がもし後架から
四隣
(
しりん
)
に響く大音を揚げて怒鳴りつければ敵は
周章
(
あわ
)
てる
気色
(
けしき
)
もなく
悠然
(
ゆうぜん
)
と根拠地へ引きあげる。この軍略を用いられると主人ははなはだ困却する。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雪は
雪簾
(
ゆきだれ
)
にあたりてさら/\と
音
(
おと
)
のふのみ、
四隣
(
しりん
)
なければ
寂
(
せき
)
として
声
(
こゑ
)
なくやゝ時もうつりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
既にして間近に
来
(
きた
)
れり、あたかもこの時
四隣
(
しりん
)
寂寞
(
せきばく
)
気結
(
きけつ
)
沈声
(
ちんせい
)
、陰々として、天井黒く壁白し。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四隣
(
しりん
)
の異同を詳しく究めた上でないと、地方的変化の法則を知ることが出来ず、地方と時とがどれだけの影響を与えるかを測量しないでは、言語の成長を説く方法がないのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
四隣
(
しりん
)
は
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
程
(
ほど
)
物靜
(
ものしづか
)
で、たゞ
車輪
(
しやりん
)
の
輾
(
きし
)
る
音
(
おと
)
と、
折
(
をり
)
ふし
寂寞
(
じやくばく
)
とした
森林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
から、
啄木鳥
(
たくぽくてう
)
がコト/\と、
樹
(
き
)
の
幹
(
みき
)
を
叩
(
たゝ
)
く
音
(
おと
)
とが
際立
(
きわだ
)
つて
聽
(
きこ
)
ゆるのみであつたが、
鐵車
(
てつしや
)
は
進
(
すゝ
)
み
進
(
すゝ
)
んで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして伊勢に、北畠親房、河内和泉には、四条
隆資
(
たかすけ
)
と、それぞれの地に、それぞれな宮方の
驍将
(
ぎょうしょう
)
がたたかっている。あるいは、
四隣
(
しりん
)
の兵を
糾合
(
きゅうごう
)
して、次の地盤をつくりつつある。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四隣
(
しりん
)
郷党
(
きょうとう
)
一様に、和やかにその一日を送ろうとする。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と牛肉注文の声が
四隣
(
しりん
)
の
寂寞
(
せきばく
)
を破る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
積極的な
四隣
(
しりん
)
から、伝来の領土もいつか少しずつ
掠
(
かす
)
め
奪
(
と
)
られ、いまでは先祖の遺産も、熊山の山間地方とここの今木に、半郡にも足りぬものを、やっと保持しているだけのこの土着武士。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“四隣”の意味
《名詞》
周囲の隣国。
あたり近所。
(出典:Wiktionary)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
隣
常用漢字
中学
部首:⾩
16画
“四隣”で始まる語句
四隣寂寥
四隣譚叢