“含嗽(うがひ)” の例文
細君が、最後の患者に含嗽(うがひ)をさせ、手術着を脱いで出て行くと、その後から、きまつて、筒井莞爾君は、国民服に脚絆を巻いて、見学に出掛けて行く。
美談附近 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
其れから日本で喉を焼けば直(す)ぐ含嗽(うがひ)をするのだが、此(この)医者はぐつと嚥下(のみおろ)して仕舞(しま)へ、然(さ)うすると薬が喉の奥へ善く浸(しみ)込むからと云ふ。随分悪辣(あくらつ)な治療法である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
齒痛(しつう)が自(おのづ)から治(をさ)まつたので、秋(あき)に襲(おそ)はれる樣(やう)な寒(さむ)い氣分(きぶん)は、少(すこ)し輕(かる)くなつたけれども、やがて御米(およね)が隱袋(ぽつけつと)から取(と)り出(だ)して來(き)た粉藥(こぐすり)を、温(ぬる)ま湯(ゆ)に溶(と)いて貰(もら)つて、しきりに含嗽(うがひ)を始(はじ)めた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一番鶏二番鶏を耳たしかに聞て朝も平日(つね)よりは夙(はよ)う起き、含嗽(うがひ)手水(てうづ)に見ぬ夢を洗つて熱茶一杯に酒の残り香を払ふ折しも、むく/\と起き上つたる清吉寝惚眼(ねぼれめ)をこすり/\怪訝顔してまごつくに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
どうか臥むで居て下され、お湯ももう直沸きませうほどに含嗽(うがひ)手水(てうづ)も其所で妾が為せてあげませう、と破土竃(やぶれべつつひ)にかけたる羽虧(はか)け釜の下焚きつけながら気を揉んで云へど、一向平気の十兵衞笑つて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
千登世は含嗽(うがひ)の水を取りに行つた。が、深水は
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)