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吝
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やぶさ
ふりがな文庫
“
吝
(
やぶさ
)” の例文
平中は、なおいろ/\とその人のことを根掘り葉掘り問われるまゝに、知っている限りは知らしてやるのに
吝
(
やぶさ
)
かでなかった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一見、直ちに、さすがはと、その人らしく見られる者では、滝川一益など風采
奕々
(
えきえき
)
たるほうで、一流の武将とうけとるに誰も
吝
(
やぶさ
)
かとしないであろう。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吾人は
貞淑
(
ていしゅく
)
なる夫人のために
満腔
(
まんこう
)
の同情を
表
(
ひょう
)
すると共に、賢明なる
三菱
(
みつびし
)
当事者のために夫人の
便宜
(
べんぎ
)
を考慮するに
吝
(
やぶさ
)
かならざらんことを切望するものなり。……
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されば「稗蒔や、ひえまァき——」の声耳に達するや、かれらの憧憬はその愛らしき別乾坤に馳せて、或は数銭、或は数十銭の所得を減ずるに
吝
(
やぶさ
)
かならぬのである。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
この点では志賀直哉の功を認めるに
吝
(
やぶさ
)
かではない。しかし、志賀直哉の小説が日本の小説のオルソドックスとなり、主流となったことに、罪はあると、断言して憚からない。
可能性の文学
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
美食共産主義などを起こし、美食の自由を求めんがために旗挙げせんとする者が輩出するならば、その挙を扶けんがために、不肖小生も一役買って、美食健康の演壇に絶叫するに
吝
(
やぶさ
)
かではない。
持ち味を生かす
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
その局部に対しては
大
(
おおい
)
に賛成の意を表するに
吝
(
やぶさ
)
かならざるつもりである。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と立花君は
体裁
(
ていさい
)
を飾る男だから、発表するのに甚だ
吝
(
やぶさ
)
かだった。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
風は明るしこの
郷
(
さと
)
の、
士
(
ひと
)
はそゞろに
吝
(
やぶさ
)
けき。
文語詩稿 一百篇
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
吝
(
やぶさ
)
かなれば言ひ遣りぬ
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
汝は、いとけなき頃より兵書を読んで、
才
(
さい
)
秀
(
ひい
)
で、よく戦策を
暗誦
(
そらん
)
じ、
儂
(
み
)
もまた、教うるに
吝
(
やぶさ
)
かでなかった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
民衆も天才を認めることに
吝
(
やぶさ
)
かであるとは信じ難い。しかしその認めかたは常に頗る滑稽である。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
民衆も天才を認めることに
吝
(
やぶさ
)
かであるとは信じ難い。しかしその認めかたは常に
頗
(
すこぶ
)
る
滑稽
(
こっけい
)
である。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これを賞めるに
吝
(
やぶさ
)
かでないが、依然、武力を行使し、侵略を事とし、魏を攻めんなどとする志を持つに至っては、まさに、救うべからざる
好乱
(
こうらん
)
の賊子、蜀の
粟
(
ぞく
)
を
喰
(
くら
)
って蜀を亡ぼす者でなくてなんぞ。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吝
漢検1級
部首:⼝
7画
“吝”を含む語句
吝嗇
吝嗇漢
吝嗇家
吝嗇坊
鄙吝
吝々
物吝
卑吝
吝嗇者
慳吝
吝嗇奴
吝嗇爺
吝嗇屋
吝嗇臭
吝坊
吝垂
吝気
吝臭
吝薔
貪吝
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