きさい)” の例文
ききたまへ、扇に似たる前髪にふさふとあへて云ふならば、われはきさいのおん料の牡丹もきらむ、おほきみの花もぬすまむ。食まじ、は。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
きさいの宮此事をきこしめして、むすめを召出しける。此源氏作たる事様々に申伝へたり。参りて後つくりたるなりとも申、いづれかまことならん。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
皇后や中宮ちゅうぐうやのおそばをつとめる身分高い女房は、時にはきさいみやの妹君がつとめられたり、公卿くぎょうの娘がつとめたりする。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
残された二人の女房は、きさいの宮の時代から女院の傍を片時も離れず奉公した者だけに、別れは一層辛かったらしい。
又七条のきさいみやの女房武蔵むさしとの関係のように、たま/\望みがかなったかと思えば、その翌日から公用で四五日京都を離れるようなことになり、しかも不覚にも女に事情を知らしてやるのをおこたったので
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
質素に質素にとして目だつことはおやめになったのであるが、宮中、東宮、朱雀すざく院、きさいの宮、このかたがたとの関係が深くて、自然にはなやかさの作られる六条院は、こんな際に最も光る家と見えた。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
思のまゝのなべてを行ふきさいの宮よ
びるぜん祈祷 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
きさいひめ、——名は須美禮姫すみれひめ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
認め得し小さきほのほきさい
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
あゝ好し、きさいまゐる。
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
いつかれむほのほのきさい
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)