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吊橋
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つりばし
ふりがな文庫
“
吊橋
(
つりばし
)” の例文
渡り終って一息ついて居ると、
炭俵
(
すみだわら
)
を負うた若い女が山から下りて来たが、
佇
(
たたず
)
む余等に横目をくれて、飛ぶが如く彼
吊橋
(
つりばし
)
を渡って往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
白い洲の上流は、河になつてゐると見えて、高い堤の上に、珍しい程メカニックな大きい
吊橋
(
つりばし
)
がアーチのやうに
架
(
かゝ
)
つてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
間もなく城壁の一部ががたんと
外
(
はず
)
れて横たおしになった。それはお城の
吊橋
(
つりばし
)
を下ろしたような工合のものであった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
「はい」と御返事をして、そのまま手の土を払って附いて出ました。古びた裏門を出ると、邸の廻りに
一間幅
(
いっけんはば
)
位の
溝
(
みぞ
)
があって、そこに
吊橋
(
つりばし
)
が懸っています。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
時すでに、魏延は部下をひきいて、城門のほうへ殺到し、番兵を蹴ちらして、あわや
吊橋
(
つりばし
)
をおろし
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
一つは
渓
(
たに
)
に沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に懸った
吊橋
(
つりばし
)
を渡って入ってゆく山径だった。街道は展望を持っていたがそんな道の性質として気が散り易かった。
筧の話
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
それから、自分の寝室へは、だれも近づいて来られないように、ぐるりへ大きな
溝
(
みぞ
)
を掘りめぐらし、それへ
吊橋
(
つりばし
)
をかけて、それを自分の手で上げたり
下
(
おろ
)
したりしてその部屋へ
出這入
(
ではい
)
りしました。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
吊橋
(
つりばし
)
の見ゆるあたり
黄
(
き
)
なる月
嚠喨
(
りうりやう
)
と
音
(
ね
)
も高く出でんとすれど
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
典韋は、歯をかみ
眼
(
まなこ
)
をいからして、むらがる敵を蹴ちらし、曹操のために
吊橋
(
つりばし
)
の道を斬り開いた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堤
(
つつみ
)
へ登り、長い
吊橋
(
つりばし
)
を渡り、見晴亭と、看板の出た、安房旅館といふのに案内された。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
はやも見よ、暮れはてし
吊橋
(
つりばし
)
のすそ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御所内の
裏濠
(
うらぼり
)
へ降りて、そこの
吊橋
(
つりばし
)
を駈けわたり、宿場へつづく並木道を反対に、山のほうへ向ってゆく一かたまりがやがて見える。遠くから望むとなおさら心細い小人数に思われた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吊橋
(
つりばし
)
の
灰白
(
はひじろ
)
よ、
疲
(
つか
)
れたる
煉瓦
(
れんぐわ
)
の
壁
(
かべ
)
よ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
寄手の諸将はためらい合ったが、曹操はもう
濠
(
ほり
)
の
吊橋
(
つりばし
)
を騎馬で馳け渡りながら
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すわや、たいへんだぞ。諸門を閉めろ。
吊橋
(
つりばし
)
をあげてしまえ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「玄徳なるぞ、
吊橋
(
つりばし
)
を下ろせ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“吊橋”の解説
吊橋、吊り橋(つりばし)は、橋の形式の一種で、綱などの張力で吊り下げ支える形式のもの。釣り橋、釣橋とも書くが、この表記は狭義には、日本の江戸期以前の古典的な形式に対して用いられる(後述)。
(出典:Wikipedia)
吊
漢検準1級
部首:⼝
6画
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
“吊”で始まる語句
吊
吊下
吊皮
吊洋燈
吊上
吊台
吊臺
吊籠
吊革
吊鐘