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卿
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おんみ
ふりがな文庫
“
卿
(
おんみ
)” の例文
老母ら「これまで
卿
(
おんみ
)
が世話しつるもの、何とぞ成仏するよう葬りてよ」女房ら「縊れて死ぬるとは誰にいかなる遺恨のありてぞ」
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
うそをつきたもうな、
卿
(
おんみ
)
は常に当今の嫁なるものの
舅姑
(
しゅうと
)
に礼足らずとつぶやき、ひそかにわが
媳
(
よめ
)
のこれに異なるをもっけの
幸
(
さち
)
と思うならずや。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
かく
志
(
こころざし
)
を
貫
(
つらぬ
)
く
能
(
あた
)
わずして、再び帰郷するの
止
(
や
)
むなきに至れるは、
卿
(
おんみ
)
に対しまた
朋友
(
ほうゆう
)
に対して面目なき次第なるも、
如何
(
いかん
)
せん両親の慈愛その度に過ぎ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
廃頽詩人ヴェルレイヌ、
卿
(
おんみ
)
だけだ! 知っている者は! 秋の
呼吸
(
いぶき
)
を、落葉の心を、ひとり死に残った蛾の魂を。
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
われらが知己、山の真名子たる老画伯よ、
卿
(
おんみ
)
は俺に、なんたる深い喜びを与えてくれたことか……。卿の自愛と大成を、俺は心から、大山
祇
(
ずみ
)
に祈るものだ。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
▼ もっと見る
白金
(
プラチナ
)
の羽の散る
状
(
さま
)
に、ちらちらと映ると、釵は滝壺に
真蒼
(
まっさお
)
な水に沈んで
行
(
ゆ
)
く。……あわれ、
呪
(
のろ
)
われたる
仙禽
(
せんきん
)
よ。
卿
(
おんみ
)
は熱帯の
鬱林
(
うつりん
)
に放たれずして、山地の
碧潭
(
へきたん
)
に
謫
(
たく
)
されたのである。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黄生『その道士の名は何ぞ。
卿
(
おんみ
)
をば救ひ出でなむはいかに』
『聊斎志異』より
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
絶望の余にかかる恵みの音ずれあり、ことさら夫が好きの物と聞くからに、感謝の語のすべることも無理にはあらず、「夫に勝る
卿
(
おんみ
)
の親実、しみじみ嬉しく忘れはせじ」
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
白金
(
プラチナ
)
の
羽
(
はね
)
の散る
状
(
さま
)
に、ちら/\と映ると、
釵
(
かんざし
)
は
滝壺
(
たきつぼ
)
に
真蒼
(
まっさお
)
な水に沈んで行く。……あはれ、呪はれたる
仙禽
(
せんきん
)
よ。
卿
(
おんみ
)
は熱帯の
鬱林
(
うつりん
)
に放たれずして、
山地
(
さんち
)
の
碧潭
(
へきたん
)
に
謫
(
たく
)
されたのである。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そは兄貴真実に」「無論のことなり」「そははなはだよろしからず、
卿
(
おんみ
)
は
姐子
(
あねご
)
をよびて間もなければ、卿は今姐子と離るべからず、よし卿に恨みなしとするも姐子の心中も思いやられよ」
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
“卿”の解説
卿
卿(きょう、けい)は、中国・日本の官位制における高位の官職。それに由来する呼称も指す。
(出典:Wikipedia)
卿
漢検準1級
部首:⼙
12画
“卿”を含む語句
公卿
卿等
上卿
諸卿
卿相
月卿雲客
公卿侍
麗卿
公任卿
少卿
俊成卿
荀卿
宇合卿
直卿
中卿
是善卿
維盛卿
宮内卿
黄門光圀卿
公卿衆
...