うらなひ)” の例文
かくてあたかも燃えたる薪を打てば數しれぬ火花出づる(愚者これによりてうらなひをなす習ひあり)ごとく 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
神經しんけいおこつたとき、わざ/\そんな馬鹿ばかところ出掛でかけるからさ。ぜにしてくだらないことはれてつまらないぢやないか。其後そのごもそのうらなひうちくのかい
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
手のすぢさうする男も参り、英国の紳士達の前に片膝立てつついみじきうらなひを致すさまも見え申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その港町の、公園の木かげに、みごとな白いひげをはやしたおじいさんが、ぢめんに毛布をひろげて、うらなひの店をだしてゐます。まはりには、おほぜいの人があつまつてゐます。
シロ・クロ物語 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
「冗談ぢやない、あつしは又親分が器用なうらなひをするのかと思ひましたよ、——兎も角、あの達者な武家上りの主人が、醉覺よひざめの水を呑みに、夜遊びの歸り井戸を覗いて、落つこつて死んだらしいんで」
「——うらなひは……うらなひは——」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)