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半反
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はんだん
法被を
着た
寺の
供が
棺桶を
卷いた
半反の
白木綿をとつて
挾箱に
入た。
軈て
棺桶は
荒繩でさげて
其の
赤い
土の
底に
踏みつけられた。
見ると、それは縫目もなければ袖もない、
並幅半反ほどなただの
黒木綿。
此の
形式的の
顏剃が
濟んでから
葢は
釘で
打ち
附けられた。
荒繩が十
文字に
掛けられた。
晒木綿の
残つた
半反でそれがぐる/\と
捲かれた。
桶には
更に
天葢が
載せられた。