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匡
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ただ
ふりがな文庫
“
匡
(
ただ
)” の例文
誰でも時計を
号砲
(
どん
)
に合せることを忘れた時には岡田の部屋へ問いに行く。上条の帳場の時計も折々岡田の懐中時計に
拠
(
よ
)
って
匡
(
ただ
)
されるのである。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「いや、天災は、まだしも。人災を坐視している法はない。
匡
(
ただ
)
すべしだ。おれは、匡してやろうと思う」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
互いに相
扶導輔翼
(
ふどうほよく
)
してその困難を
済
(
すく
)
い、その誤謬を
匡
(
ただ
)
し、各々その本性を発揮しつつあることも、文明の統一、人道の活躍、教育の独立に偉大なる効果の有ることである。
日本の文明
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
ところでこの考察は、単に私の本性が陥り易いすべての誤謬に気づくためにのみでなく、またこれらの誤謬を容易に
匡
(
ただ
)
しあるいは避け得るために、はなはだ多くの貢献をするのである。
省察:神の存在、及び人間の霊魂と肉体との区別を論証する、第一哲学についての
(新字新仮名)
/
ルネ・デカルト
(著)
宗乗の誤謬を
匡
(
ただ
)
すべく、火に
灼
(
や
)
かれる迄も正理を標榜した鼻がありました。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
導く人のやはり
我
(
わが
)
仲間であったことは、或いは時代に相応せぬ
鄙
(
ひな
)
ぶりを
匡
(
ただ
)
しえない結果になったか知らぬが、そのかわりにはなつかしい我々の大昔が、たいして
小賢
(
こざか
)
しい者の干渉を受けずに
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
御主君は、今度は逆臣を
誅
(
ちゅう
)
し、大儀を
匡
(
ただ
)
すのを名として陳に兵を進めた筈です。それが、もし夏姫を納られることになれば、淫を貪らんがために、兵を起したといわれても仕方の無いことになります。
妖氛録
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
頃日
(
このごろ
)
高橋邦太郎さんに聞けば、文士芥川龍之介さんは香以の親戚だそうである。もし芥川氏の手に
藉
(
よ
)
ってこの稿の
謬
(
あやまり
)
を
匡
(
ただ
)
すことを得ば幸であろう。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかも
朝廟
(
ちょうびょう
)
あやうき間、献帝諸方を流浪のうちも、いまだ国を
匡
(
ただ
)
し、
奸
(
かん
)
をのぞき、真に
宸襟
(
しんきん
)
を安めたてまつれりという功も聞かず、ひとえに時流をうかがい権者に媚び
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
匡
(
ただ
)
し
理
(
おさ
)
め
磨
(
みが
)
いて、始めてものは有用の材となるのだ。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
津軽家の祖先が南部家の被官であったということは、
内藤恥叟
(
ないとうちそう
)
も『徳川十五代史』に書いている。しかし郷土史に
精
(
くわ
)
しい
外崎覚
(
とのさきかく
)
さんは、かつて内藤に書を寄せて、この説の
誤
(
あやまり
)
を
匡
(
ただ
)
そうとした。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
春澳の子は現に北海道
室蘭
(
むろらん
)
にいる
杲一
(
こういち
)
さんである。
陸実
(
くがみのる
)
が新聞『日本』に抽斎の略伝を載せた時、誤って宝素を小島成斎とし、抱沖を成斎の子としたが、今に
迨
(
いた
)
るまで
誰
(
たれ
)
もこれを
匡
(
ただ
)
さずにいる。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
匡
漢検準1級
部首:⼕
6画
“匡”を含む語句
匡正
大江匡房
匡人
匡救
大江匡衡
匡衡
匡房
王匡
匡済
一匡邑
孫匡
匡遠
沼霧匡作
晋文匡扶
大江匡
品匡
呉匡
匡輔
匡山
信匡