加賀守かがのかみ)” の例文
岐阜城第一に迎えた春の献賀けんがにと、丹波たんば長谷はせの城主赤沢加賀守かがのかみは、自分の秘蔵する名鷹めいよう二羽のうちの一羽を、わざわざ使者に託して送ってきた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで話は二年程さかのぼって安元元年加賀守かがのかみに任ぜられた師高もろたかという男があった。彼は例の西光の息子である。
丁度ちょうどその時に榎本の妹の良人おっと江連えづれ加賀守かがのかみう人があって、この人はと幕府の外国奉行を勤めて居て私は外国方がいこくがたの飜訳方であったからしって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
根岸肥前守ひぜんのかみ、岩瀬加賀守かがのかみ、荒尾但馬守たじまのかみ、筒井和泉守いずみのかみ、四代の町奉行に歴仕して、綽名あだなを「玻璃窓はりまど」と呼ばれたところの、郡上平八は呟いたが、急にニヤリと片笑いをすると
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大久保加賀守かがのかみの血につながる一族で、ちょうどこの事件のあった十年まえ、あれなる青まゆの女を向島の葉茶屋から退かして正妻に直したころから、しだいにその放埓ほうらつが重なり
これより旬日じゆんじつまへまでは、前田まへだ加賀守かがのかみ治脩公ちしうこう毎朝まいてうかゝすことなくあさひ禮拜らいはいなしたまふに、たゞ寂寞せきばくたるはかしたに、金城きんじやう蒼生たみみなねむりて、彌望びばう極顧きよくこ活色くわつしよくなく、したちか鍛冶屋かぢやにて
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
後供あとどもは霞ひくなり加賀守かがのかみ
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)