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前非
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ぜんぴ
ふりがな文庫
“
前非
(
ぜんぴ
)” の例文
それに、彼女は今非常に
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いている。人を殺したといっても過失に過ぎないのだし、田村君、この辺の事情をよく含んで置いてくれるだろうね
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
根本
(
こんぽん
)
、敵たる者は、どうしようもない。したが、さまでにはなくて、ただ生きんがための方向に迷い、やむなく旗を敵に託した者などは、また何かの機には
前非
(
ぜんぴ
)
を
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
稲川先生の母親は、まるで気ちがいのように
息子
(
むすこ
)
をかばい、今では彼が
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
いあらためていると、会う人ごとに
吹聴
(
ふいちょう
)
してまわるのにいそがしいという
噂
(
うわさ
)
を聞いた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
貴君こそ、自分の不明を恥じて、私の前でいつかの暴言を謝しなさい! 唐沢のお嬢さんは、もう
此
(
こ
)
の通り、ちゃんと
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
いている。御覧なさい! 此の手紙を!
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
堀口生は
前非
(
ぜんぴ
)
をくいてあやまった。しかし勝った方も負けた方もそれだけではすまなかった。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
余所
(
よそ
)
ながら昔の罪を償おうとの了簡であるに相違ないが、
前非
(
ぜんぴ
)
を後悔したなら
有体
(
ありてい
)
に打明けて、親子の
名告
(
なのり
)
をすればまだしも殊勝だのに、そうはしないで、現在実子と知りながら旧悪を隠して
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おぬいさんの前に出ると、このガンベもまったく
前非
(
ぜんぴ
)
を後悔しますね
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「振出しまで戻るか。それとも
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いて、病院に戻り——」
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
自分は、ふかく
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いて、お袖のことも、今はまったく思い切っている。ふたりの仲に
生
(
な
)
した子は、どうか、よそへやって、お袖も、他によい男をもってくれ。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いた泥坊かなんかが、罪亡ぼしに南無阿弥陀仏を沢山並べて書いたのかと思った。そして、牢破りの道具の代りに銅貨の中へ入れて置いたのじゃないかと思った。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
昌幸以下、いかに戦うも、徳川どののこの大軍につつまれては、いかんとも
敵
(
かな
)
うまじ。
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いて、降参せよ。さもなくば、
一
(
ひと
)
もみに、踏みつぶすであろう——と
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その僧に
托
(
たく
)
して彼を流しました、怖らく蜘蛛太も、私以上に、
前非
(
ぜんぴ
)
を悔いておりますことゆえ、やがて仏弟子となるか、真面目な町人となって、幾年かの後には、訪ねてくる折がござろう
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“前非”の意味
《名詞》
以前に犯した罪過や悪事。
(出典:Wiktionary)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛