初卯はつう)” の例文
また、北茂安村千栗八幡社にては、正月初めにかゆをたき、旧二月初卯はつうの日にその粥の状態を検して、豊凶を判知することにきまっておる。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
久しくすたれていたのを、この二月初卯はつうを期して——後代の佳例に残るかどうかは知らないが、ともかくもやってみたいというのが発企者ほっきしゃの意見で
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
初卯はつう母様おつかさん腰元こしもとを二人れて、まち卯辰うたつはう天神様てんじんさまへおまゐンなすつて、晩方ばんがたかへつてらつしやつた、ちやうど川向かはむかふの、いまさるところ
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
初卯はつうの日、母様が腰元を二人連れて、まち卯辰うたつの方の天神様へお参んなすって、晩方帰っていらっしゃった。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうしているうちに、二月初卯はつう流鏑馬やぶさめの当日となりました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さゝに、大判おほばん小判こばん打出うちで小槌こづち寶珠はうしゆなど、就中なかんづく染色そめいろ大鯛おほだひ小鯛こだひゆひくるによつてあり。お酉樣とりさま熊手くまで初卯はつう繭玉まゆだま意氣いきなり。北國ほくこくゆゑ正月しやうぐわつはいつもゆきなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)