分担ぶんたん)” の例文
旧字:分擔
むろんそうした掃除も、分担ぶんたんは一通りきまっていたが、厳密には境界が定められないために、塾生たちはかなり入りみだれていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
普請奉行は、丹羽長秀、明智光秀などが分担ぶんたんしていた。きょうも彼は、すぐふもと桑実寺そうじつじから登って来て
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とうとうえものをひとりでは持ちきれなくなって各自が分担ぶんたんした。この宝庫は本島内の他の諸林にゆずらないと思う。六時ごろ、一すじの川のほとりに出た。いよいよ露営ろえいだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しておさまるべき特性をどこか相互に分担ぶんたんして前へ進めるというつもりなのです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし子供の数が増加してくるにしたがって、青年の純情じゅんじょうのような気持ちは鈍磨どんましてくる。そして生物学的に、今度の子供は私自身のどの特性を分担ぶんたんして来るだろうかとよくを出してくる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
なぞも有れば画探ゑさがしも有る、はじめはうには小説をかゝげて、口画くちゑ挿画さしゑも有る、これすべて社員の手からるので、筆耕ひつこう山田やまだわたしとで分担ぶんたんしたのです、山田やまだ細字さいじ上手じやうづに書きました、わたしのははなはきたな
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一同には旋条銃せんじょうじゅう連発銃れんぱつじゅう腰刀こしがたながわたされ、各自は分担ぶんたんされた守備位置についた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ゆうべの懇談会で分担ぶんたんをきめ、かれら自身の室はもとより、建物の内部を、講堂や、広間や、便所にいたるまで、全部清掃せいそうすることに申し合わせていたので、かれらも、まがりなりにも責任だけは
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それまでむなしく遊び暮らすはもったいない話だと、ゴルドンがいいだした。そこで一定の時間をきめて、課程かていを学習することとなり、年長者はそれぞれ年少者に教えるべく、分担ぶんたんをきめた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)