凶事きようじ)” の例文
黄褐色くわうかつしよくきりもつて四ふさがれつゝ只管ひたすら唐鍬たうぐはつて勘次かんじ田圃たんぼわたつてはやしえてとほつてた。かれ凶事きようじ理由わけがなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
判斷はんだんなして此上信心しんじん肝要かんえうなりと申しけるにお專も大いに心配しんぱいなし然らば明日より鹽斷しほだちなり斷食だんじきなりして信心を致しお前の身に凶事きようじなきやうに致さんと夫婦は來方こしかた行末ゆくすゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
榮花えいぐわにしたしむすめにも綺羅きらかざらせてれも安心あんしん樂隱居らくいんきよねがはくは家運長久かうんちやうきうなれ子孫しそん繁昌はんじやうなれ兎角とかくうへ凶事きようじあらせじとの親心おやごゝろひきかへしねがひもさかさまながら今日けふ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)