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処々
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しょしょ
ふりがな文庫
“
処々
(
しょしょ
)” の例文
旧字:
處々
謡曲の
中
(
うち
)
でも比較的芝居がかりに出来ている
鉢
(
はち
)
の
木
(
き
)
、
安宅
(
あたか
)
等ですら、
処々
(
しょしょ
)
三四行
乃至
(
ないし
)
十四行
宛
(
ずつ
)
要領の
得悪
(
えにく
)
い文句が挿まっていて
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何峠から
以西
(
いせい
)
、何川辺までの、何町、何村、
字
(
あざ
)
何の何という
処々
(
しょしょ
)
の家の、種々の雑談に一つ新しい興味ある問題が加わった。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
いままで登ってきた山は山の一段であって、更に
巌石
(
がんせき
)
が草原の海に、
処々
(
しょしょ
)
島のように表われて居る山腹を攀じて、上の峰まで行かねばならぬ。
武甲山に登る
(新字新仮名)
/
河井酔茗
(著)
強い電磁石を使って重い鉄片などを吸い付けて吊し上げ、汽車や汽船の荷上げや荷積みをする器械が近来
処々
(
しょしょ
)
で用いられる。
話の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
堀割の岸には
処々
(
しょしょ
)
に
物揚場
(
ものあげば
)
がある。
市中
(
しちゅう
)
の生活に興味を持つものには物揚場の光景もまたしばし杖を
留
(
とど
)
むるに足りる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
玫瑰
(
まいかい
)
の芳烈なる
薫
(
かおり
)
か、ヘリオトロウプの艶に仇めいた
移香
(
うつりが
)
かと想像してみると、昔読んだままのあの物語の記憶から、
処々
(
しょしょ
)
の忘れ難い句が、念頭に浮ぶ。
『新訳源氏物語』初版の序
(新字新仮名)
/
上田敏
(著)
いや、それよりも
酸鼻
(
さんび
)
なのは、彼の刀にあたって、
処々
(
しょしょ
)
に
唸
(
うめ
)
いたり、這ったりしている
傷負
(
ておい
)
や死人だ。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これを結びたる天糸は、本磨き細手の八本
撚
(
よ
)
りにて、玲瓏たる玉質、水晶の縄かとも見るを得べく、結び目の切り端の、
処々
(
しょしょ
)
に放射状を為すは、
野蚕
(
やさん
)
の
背毛
(
はいもう
)
の一
叢
(
むら
)
の如し。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
奇妙な黒い棺桶のような荷物をよく見れば、金色の厳重な錠前が
処々
(
しょしょ
)
に下りている上、耳が生えているように、丈夫な黒革製の
手携
(
てさげ
)
ハンドルが一つならずも二つもついていた。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
男も自分の体がすっかり健康で何事もないように思われる。外には日が照っている。町からは
賑
(
にぎや
)
かな物音がする、何もかも活動している。向いの家には窓の戸が
処々
(
しょしょ
)
開けてある。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
まざまざとして発見されたのであった、その他湖上の
処々
(
しょしょ
)
に、青い松の木が、ヌッと
突出
(
つきで
)
ていたり、真赤に熟した柿の実の
鈴生
(
すずなり
)
になっておる柿の木が、とる人とてもなく淋しく立っているなど
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
ただ街路樹の
処々
(
しょしょ
)
に残った枯葉が、クローム色の星空の下で、あるか無いかの風にヒラリヒラリと動いているばかりであった。
冗談に殺す
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なるほど布の目には粗密がある、長く使っていれば
処々
(
しょしょ
)
に目の大きい処が出来てそこから蚊がはいるかも知れぬが、それにしても今日一般の蚊帳の目は細か過ぎている。
蚊帳の研究
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
私たち二人は雑草の露に
袴
(
はかま
)
の
裾
(
すそ
)
を
潤
(
うるお
)
しながら、この森蔭の
小暗
(
おぐら
)
い片隅から青葉の枝と幹との間を
透
(
すか
)
して、
彼方
(
かなた
)
遥かに広々した閑地の周囲の
処々
(
しょしょ
)
に残っている
練塀
(
ねりべい
)
の崩れに
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
嬢がここで一寸息を切ると場内の
処々
(
しょしょ
)
に軽い……けれども深い驚きの響きを籠めた囁きの声が、悲風のように起った……と思ううちに又ピタリと静まった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
処
常用漢字
小6
部首:⼏
5画
々
3画
“処々”で始まる語句
処々方々