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冥土
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よみじ
ふりがな文庫
“
冥土
(
よみじ
)” の例文
あこがれ慕う心には、
冥土
(
よみじ
)
の関を据えたとて、
夜
(
よ
)
のあくるのも待たりょうか。
可
(
よ
)
し、可し、
衆
(
みな
)
が
肯
(
き
)
かずば私が自分で。(と気が入る。)
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺はもう助かる見込みはない、これを言わないと心残りがして、
冥土
(
よみじ
)
の障りになる。形見にやるから、掘出して遣ってくれ——。
銭形平次捕物控:049 招く骸骨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あのまた霧の毒といふものは
恐
(
おそろ
)
しいものでなう、お前様、今日は
彼
(
あれ
)
が雨になつたればこそ
可
(
よ
)
うござつた、ものの半日も
冥土
(
よみじ
)
のやうな煙の中に包まれて居て見やしやれ
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
颯
(
さっ
)
と揺れ、
溌
(
ぱっ
)
と散って、星一ツ一ツ鳴るかとばかり、
白銀
(
しろがね
)
黄金
(
こがね
)
、水晶、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、
透間
(
すきま
)
もなく
鎧
(
よろ
)
うたるが、月に照添うに露
違
(
たが
)
わず、されば
冥土
(
よみじ
)
の色ならず、真珠の
流
(
ながれ
)
を渡ると覚えて
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
逢うが別れの
今世
(
こんじょう
)
に、
臨終
(
いまわ
)
のなごりを
惜
(
おし
)
むため、
華燭
(
かしょく
)
銀燈輝いて、見返る空に月のごとき、若竹座を忍んで出た、
慈善市
(
バザア
)
の光を思うにつけても、横町の後暗さは
冥土
(
よみじ
)
にも
増
(
まさ
)
るのみか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
されば
冥土
(
よみじ
)
を
辿
(
たど
)
るような思いで、
弥生町
(
やよいちょう
)
を過ぎて根津まで
行
(
ゆ
)
くと、
夜更
(
よふけ
)
で
人立
(
ひとだち
)
はなかったが、交番の中に、蝶吉は、
腕
(
かいな
)
を
背
(
そびら
)
へ
捻
(
ねじ
)
られたまま、水を張った
手桶
(
ておけ
)
にその横顔を押着けられて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冥
常用漢字
中学
部首:⼍
10画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“冥”で始まる語句
冥加
冥利
冥途
冥府
冥々
冥福
冥
冥想
冥罰
冥護