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冥利
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みやうり
ふりがな文庫
“
冥利
(
みやうり
)” の例文
「
冥利
(
みやうり
)
といふものがございます。それに私の作つた草鞋は丈夫ださうで、山の手からわざ/\此處まで買ひに來るお客樣もございます」
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
成程
(
なるほど
)
善悪にや二つは無えが、どうせ盗みをするからにや、悪党
冥利
(
みやうり
)
にこの
位
(
くれえ
)
な陰徳は積んで置き
度
(
て
)
えとね、まあ、
私
(
わつち
)
なんぞは思つてゐやすのさ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そんぢやお
内儀
(
かみ
)
さんそれ
返
(
けえ
)
して
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
外
(
ほか
)
にも
何
(
なん
)
とかしたら
冥利
(
みやうり
)
の
惡
(
わ
)
りいやうなことも
有
(
あ
)
りあんすめえな」
彼
(
かれ
)
は
情
(
なさけ
)
なげな
目
(
め
)
で
内儀
(
かみ
)
さんをちらりと
見
(
み
)
ていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何たるこつちや、今時、
冥利
(
みやうり
)
がつきる
小熊秀雄全集-04:詩集(3)小熊秀雄詩集1
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
茶道に遊ぶものの
冥利
(
みやうり
)
、一度は手に入れたいと思つた井戸の茶碗が、こんな機縁で、たつた五十兩で手に入るといふのは、全く夢のやうです。
銭形平次捕物控:133 井戸の茶碗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「かう、番頭さん、鼠小僧の御宿をしたのは、
御前
(
おめえ
)
の家の旦那が運が好いのだ。さう云ふおれの口を干しちや、
旅籠屋
(
はたごや
)
冥利
(
みやうり
)
が尽きるだらうぜ。
桝
(
ます
)
で好いから五合ばかり、酒をつけてくんねえな。」
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「でも、お孃樣、十手
冥利
(
みやうり
)
、どうしてこんなことになつたか、それは一應調べなきやなりません。曲者を取つて押へるか押へないかは別として」
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「噂に聽いただけで、親分はまだ見たことは無いでせう、十手
冥利
(
みやうり
)
に、たまにはお
詣
(
まゐ
)
りして置くものですよ」
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私は藥種渡世の
冥利
(
みやうり
)
に、この二本の徳利で、大井久我之助樣と果し合ひがいたしたいのでございます。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
よし/\、それ以上負けさしちや、多賀屋も
冥利
(
みやうり
)
が惡からう。お前は思つたより良い男だ、手の
混
(
こ
)
んだ人殺しなんかするより、心を入れ替へて商賣でも
勵
(
はげ
)
むがよからう。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誘
(
さそ
)
ひ出すぢやありませんか。——どんな證據があるか知らないけれど、あんな氣の良いお染ちやんが、人なんか殺すもんですか。默つて見てゐちや御用聞
冥利
(
みやうり
)
が盡きますよ
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「千兩箱が夢枕に立つたのさ。このまゝ埋まつちや
冥利
(
みやうり
)
が惡いから、掘り出して下さいつてね」
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よく仰しやつて下さいました。御用聞
冥利
(
みやうり
)
、この平次が手一杯にお引受け申しませう。就ては旦那、私が聞き度いと思ふことを、皆んな隱さずに仰しやつて頂けませうか」
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こいつは近頃の面白い話ぢやありませんか、御用聞
冥利
(
みやうり
)
、ちよいと覗いて見ませんか、親分
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今朝は妙に人出が多いので、土手の下で朝寢をして居ては、商賣
冥利
(
みやうり
)
が盡きます、へエ」
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こんな變つた
事件
(
しごと
)
も珍らしいから、俺も御用聞
冥利
(
みやうり
)
と、徳力屋の主人が氣の毒さに引受けたが、今度といふ今度は、今までのやうには裁き切れない、——思ひ切つて變つたことを
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
折つた積りさ。
生
(
な
)
さぬ仲の遠慮はあるにしても、あんまり勝手で見て居られないから、——どんな事があつても、新さんを捨てちや
冥利
(
みやうり
)
が惡い、もう一度考へ直すやうに——つてネ
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人で
費
(
つか
)
つちや
冥利
(
みやうり
)
が惡いから、取あへず親分に見て貰ふつもりで持つて來ましたよ。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それほど思ひ込まれたら、八五郎も男
冥利
(
みやうり
)
だ、二た晩三晩行つて泊つて見るか」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「相濟みません。でも、好い女でしたよ。ちよい/\見かける年増ですが、あんな好い女を見ると、ちよいと手輕なものをすり度くなります。商賣
冥利
(
みやうり
)
でね、いゝ形見になりますから——」
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御用聞
冥利
(
みやうり
)
だ。あんな可愛い娘に拜まれたら、惡い心持ぢやあるめえ」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「兄殺しは重罪だが、自分の家へ入つても泥棒は泥棒に違ひない、それを暗闇の中で成敗したのは
神業
(
かみわざ
)
だ。此處でお前を縛つちや、少しばかり十手
冥利
(
みやうり
)
が惡からう。なア、八、どうしたものだ」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
商賣
冥利
(
みやうり
)
、お客への世辭のつもりだつたかもわかりません。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御用聞
冥利
(
みやうり
)
に、お前を助けてやる
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“冥利”の意味
《名詞》
冥利(みょうり)
人々が知らない内に享受している神仏から受けている恩恵。
立場などにより得られる恩恵。
(出典:Wiktionary)
冥
常用漢字
中学
部首:⼍
10画
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“冥”で始まる語句
冥加
冥途
冥土
冥府
冥々
冥福
冥
冥想
冥罰
冥護