トップ
>
内緒
>
ないしょ
ふりがな文庫
“
内緒
(
ないしょ
)” の例文
それゆえせめての
心
(
こころ
)
から、あたしがいつも
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
るお
前
(
まえ
)
のお七を、
由斎
(
ゆうさい
)
さんに
仕上
(
しあ
)
げてもらって、ここまで
内緒
(
ないしょ
)
で
運
(
はこ
)
んだ
始末
(
しまつ
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ひどく
啖呵
(
たんか
)
の切れる——そして酒がいわせるのか、妙に
自暴
(
やけ
)
をふくんだ女のことばに——困りぬいた女中はまた奥の
内緒
(
ないしょ
)
へもどって行った。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
内緒
(
ないしょ
)
だけれどね、うちの人はユダヤ人の前線
視察員附
(
しさついんつき
)
になっているんだってよ。ユダヤ人についていれば、絶対に生命のところは安全なんだってさ。
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それはそうと親方、お前さんは何かこの道庵に
内緒
(
ないしょ
)
の頼みがあると言いなすったから、それで
俺
(
わし
)
はやって来たのだが、
内密
(
ないしょ
)
の頼みというのはいったい何だね」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おきんは、維康が最初蝶子に
内緒
(
ないしょ
)
で梅田へ行ったと聴いて、これはうっかり芝居に乗れぬと思った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
その女のひとのために、
内緒
(
ないしょ
)
でお金の要る事があったのに違いないと私は思いました。
おさん
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「やっぱりお前だった。……よく来た……待っていた……この金で身なりを作って
明日
(
あす
)
の夜中過ぎ一時頃にわたしの
室
(
へや
)
にお出で。小潜りと裏二階の下の雨戸を開けておくから。
内緒
(
ないしょ
)
だよ」
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
思いがけないお世話になったが、こうしていると、ひとり吉野どのへ気づかいを
煩
(
わずら
)
わすばかりでなく、扇屋の
内緒
(
ないしょ
)
へも、迷惑のかさむばかり。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんな時、わい夜店は眠うなるさかい嫌やと、心にもないことを言うのはむろん私でした。一つには昼間おきみ婆さんに貰った飴をこっそり一人
内緒
(
ないしょ
)
で食べたいのです。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
大尽金というのは
大身
(
たいしん
)
や金持の若旦那なんぞが、親や家来に
内緒
(
ないしょ
)
で遊ぶ金を貸すんですね、これは思い切って高い利息を取って、そうして取りはずれのない仕事、ナニ
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その脅迫状の内容というのは、小山田氏と静子夫人の夫婦としての夜の生活を、非常に
詳細
(
しょうさい
)
に書き
綴
(
つづ
)
ってあるのです。それは夫妻ならでは絶対に知ることのない
内緒
(
ないしょ
)
ごとでした。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一夜明けて修業式の朝、起きて素早くシャツを着込み、あるときは、年とった女中に
内緒
(
ないしょ
)
にたのんで、シャツの袖口のボタンを、更に一つずつ多く縫いつけさせたこともありました。
おしゃれ童子
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
清吉が立ちかけると、こう云って、そこの
内緒
(
ないしょ
)
を
覗
(
のぞ
)
き、今おかみさんの求めた反物を
沁々
(
しみじみ
)
見ている
妓
(
おんな
)
があった。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その小島さんというお方がいらっしゃるならば、その方へお手紙を
内緒
(
ないしょ
)
で頼まれて参りました」
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「これは
内緒
(
ないしょ
)
よ。気をつけないといけないわ。この村のげじげじ牧師のネッソンが、
見慣
(
みな
)
れない七八人の荒くれ男を案内して、下から登ってくるわ。あたし望遠鏡で、それを見つけたのよ」
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
乾かす時に、つい封じ目が切れまして、その時に懇意な人に読んでいただきました、その人は
内緒
(
ないしょ
)
を人に洩らすような人ではございませんから、どうぞ御勘弁あそばして
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「オ、
禿
(
かむろ
)
さんか。じつはね、ご
内緒
(
ないしょ
)
のおっかさんに会いたくって来たんだが」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
内緒
(
ないしょ
)
だけれどね、うちの旦那様は、お若いときダイナマイトと
鶴嘴
(
つるはし
)
とをもって、日本中の山という山を、あっちへいったりこっちへきたり、真黒になって働いておいでなすったんですとさ。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これは
内緒
(
ないしょ
)
ですが、貴女も探偵だからいいますが、僕のところでは、訪問者が入口のところに立ったとき、自動的に身長を測ることにしています。もちろん
光電管
(
フォト・セル
)
をつかえば、わけのないことです。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“内緒”の意味
《名詞》
公表せず、内々にすること。内密にすること。
表向きでない、奥の間、台所。また、経済状態。
(出典:Wiktionary)
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
緒
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“内緒”で始まる語句
内緒暖簾
内緒咄
内緒話
内緒部屋