其儀そのぎ)” の例文
カピ長 いや、なう、パリスどの、むすめあへけんじまする。れめは何事なにごとたりとも吾等われら意志こゝろざしにはそむくまいでござる、いや、其儀そのぎいさゝかうたがまうさぬ。
『——いずれ、其儀そのぎに就ては、後より詳しく、御書面で申しまする。一刻を争って、お国表へ急ぐ途中、母上の御棺側ごかんそくをもつかまつらず、心苦しくは存じまするが』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こばみ夫のみならず我にたいして不束の挨拶こそ心得ぬよし/\其儀そのぎならようこそあれといそぎ我家へ立歸たちかへ直樣すぐさま役所へ赴むき訴へける樣は原田兵助事此度畑より金瓶を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殺たるはわたくしにて馬士を殺し候は平四郎なりと申故シテ松葉屋へ金を預けんとせしは如何なる故ぞと有に源八其儀そのぎは私し共を確實たしかに見せ置松葉屋の案内あんない大方見定みさだめ候間同家の金銀奪取うばひとらん爲故と金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奪ひ取りしぞ不屆至極ふとゞきしごくなり眞直まつすぐに申せと問糺とひたゞされしかば彦兵衞は意外の事に思ひ私し日頃ひごろおんうけ候隱居を何とて手に掛け申べきや其儀そのぎは一かうおぼえ之なくと申に大岡殿然共されども隱居いんきよたくはへたる百兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)