八日ようか)” の例文
男「何時いつけえるか知れぬが、まア、何時帰ると私等わしらに断って出た訳でえから受合えねえが、明けると大概なゝ八日ようかぐれえ帰らぬ男で」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「もう八日ようか経てば、大檀那様おおだんなさまの御命日でございます。御命日に敵が打てますのも、何かの因縁でございましょう。」
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
八日ようか九日ここのか二日ふつかは出発前でいろいろの勤めがあるのは判り切っているので、今夜は思う存分に騒ぎ散らして帰ろうと、彼は羽目はめをはずして浮かれていた。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし、六日むいかめにもかえってきませんでした。そして、七日なのかめも、八日ようかめも……ついにかえってきませんでした。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
八日ようか八晩よばんの間、若日子の死がいのそばで楽器をならして、死んだたましいなぐさめておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
その片隅の八日ようか巻の時計の下の折釘おれくぎに、墨西哥メキシコかケンタッキーの山奥あたりにしかないようなスバらしく長い、物凄ものすごい銀色の拳銃が二ちょう、十数発の実弾を頬張ほおばったまま並んで引っかかっているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
するとちょうど八日ようかめのあさ太子たいし夢殿ゆめどのからおましになって
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
丁度八日ようか前の事だが、僕のところへ五十になる男が遣って来た。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
『伝馬牢へ下げられたのが、後月あとげつ八日ようかでした』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯月うづき八日ようか死んで生るゝ子は仏
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
がつ八日ようか
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「それでももうここへ来てから八日ようか立ったなあ。」
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)