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ぜんざん
忽ち
全山の
高等野次馬は、
我おくれじと
馳付けて
見ると、
博士は
笑ひながら、
古靴の
片足を、
洋杖の
先に
懸けて
示された。
やがて
古い
古い
杉木立がぎっしりと
全山を
蔽いつくして、
昼尚お
暗い、とてもものすごい
所へさしかかりました。
全山を
城地と見なし、十七
町を
外郭とし、
龍眼の地に
本丸をきずき、
虎口に八門、
懸崖に
雁木坂、五
行の
柱は
樹林にてつつみ、
城望のやぐらは
黒渋にて
塗りかくし
これも
全山の人には、
寝耳に水のおどろきであったろう。