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克己
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こっき
ふりがな文庫
“
克己
(
こっき
)” の例文
しかもその修養のうちには、自制とか
克己
(
こっき
)
とかいういわゆる漢学者から受け
襲
(
つ
)
いで、
強
(
し
)
いて
己
(
おのれ
)
を
矯
(
た
)
めた
痕迹
(
こんせき
)
がないと云う事を発見した。
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黙々たる
田舎
(
いなか
)
で、善良な誠実な心の人々が、その平凡な一生の間、りっぱな思想を胸にいだき、日々の
克己
(
こっき
)
をつとめてる——それこそ
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
また、その
克己
(
こっき
)
と、戦いの
艱苦
(
かんく
)
とをくらべれば、戦火のごときも、物の数ではない。いかに烈しかろうと、人と人との戦いだというに尽きる。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
克己
(
こっき
)
と、にもかかわらずとの生活であり、厳格な、
確乎
(
かっこ
)
とした、禁欲的な生活であって、かれはこれをせんさいな
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
克己
(
こっき
)
復礼
(
ふくれい
)
を主眼とする孔子の教えも
転迷
(
てんめい
)
開悟
(
かいご
)
を唱道する仏の教えも、
神者愛也
(
かみはあいなり
)
と説くキリストの教えもみなこの目的に達するための種々の方便に過ぎぬ。
理想的団体生活
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
▼ もっと見る
黄白
(
こうはく
)
に至りては
精励
(
せいれい
)
克己
(
こっき
)
の
報
(
むく
)
いとして来たるものは決して少なくなかろう。
古人
(
こじん
)
の言にあるごとく
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そうして時がくるとずいぶん
克己
(
こっき
)
して家を出ました。しかし子供が歯の悪いときには、きょうはおいしゃに行く日だと思っても、決して朝から苦になるほどではありませんでした。
親子の愛の完成
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
六十七になって寝られなくなるなあ当り前でさあ。修業も
糸瓜
(
へちま
)
も
入
(
い
)
ったものじゃないのに当人は全く
克己
(
こっき
)
の力で成功したと思ってるんですからね。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
歩走
(
ほそう
)
、
飛伏
(
ひふく
)
、一進一退、陣法の節を教え、
克己
(
こっき
)
の精神をたたき込み、
刺撃
(
しげき
)
、用剣の術まで、習わせた。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叡山人多しといえど誰か、十歳を出たばかりの範宴にすら勝る法師やある。——その才において、その
克己
(
こっき
)
において、その聡明において、その強情我慢なことにおいて。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一行の者に対しては、あえてムチを振るッて
克己
(
こっき
)
させ、時には夜立ち
暁
(
あかつき
)
立ち。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「口舌を以ていたずらに民を叱るな。むしろ良風を
興
(
おこ
)
して
風
(
ふう
)
に
倣
(
なら
)
わせよ。風を興すもの師と吏にあり。吏と師にして善風を示さんか、
克己
(
こっき
)
の範を垂れその
下
(
もと
)
に
獺惰
(
らんだ
)
の民と悪風を見ることなけん」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあいだの彼のすさまじい修行の辛苦と
克己
(
こっき
)
とはいうまでもない。彼の位置が、何不自由ない一城の
主
(
あるじ
)
の身であるだけに、その苦しみは、自ら求めて苦しまなければ、
享
(
う
)
けられない苦しみだった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
懊悩
(
おうのう
)
のまま年は暮れたが、年もあらたまって、
承平
(
しょうへい
)
二年の正月を迎えるとともに、将門は、
翻然
(
ほんぜん
)
と考えた。それに似た誓いを独り胸にたたんだ。
克己
(
こっき
)
である。馬鹿になろう、馬鹿になろう、である。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“克己”の意味
《名詞》
自分の感情や欲望などに自身の力で打ち勝つこと。
(出典:Wiktionary)
克
常用漢字
中学
部首:⼉
7画
己
常用漢字
小6
部首:⼰
3画
“克己”で始まる語句
克己心
克己力
克己復礼