兄夫婦あにふうふ)” の例文
小六ころくはじめのうちなんにもくちさなかつたが、段々だん/\兄夫婦あにふうふはなしいてゐるうちに、ほゞ關係くわんけい明暸めいれうになつたので
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かねがね聞いた村の変化へんか兄夫婦あにふうふのようす、新しくけばけばしかった両親の石塔せきとうなどについて、きれぎれに連絡も何もない感想が、ただわけもなく頭の中ににぶい回転をはじめたのだ。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
するとうしても自分じぶん一人ひとりがこんな窮境きゆうきやうおちいるべき理由りいうがないやうかんぜられた。それから、んな生活せいくわつ状態じやうたいあまんじて一生いつしやうおく兄夫婦あにふうふ如何いかにも憫然ふびんえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其癖そのくせかれ性質せいしつとして、兄夫婦あにふうふごとく、荏苒じんぜんさかひ落付おちついてはゐられなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)