いつはり)” の例文
新字:
銅色あかがねいろ薔薇ばらの花、人間のよろこびよりもなほ頼み難い銅色あかがねいろ薔薇ばらの花、おまへのいつはり多い匂を移しておくれ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かの事ありしよりこの方、あらびいつはりをもてかすむることをなし、後あがなひのためにポンティ、ノルマンディア及びグアスコニアを取れり 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「親分、私の申すことは、あまり變つて居るので、びつくりなさるかも知れませんが、決して嘘やいつはりは申しません——」
かけられしとは更に合點がてんの參らぬ事なり此は貴殿の異見いけんをもきか徒骨むだぼねをりしを嘲弄てうろうさるゝと思はれたりと云へば大膳は莞爾につこり打笑うちゑみいなとよ此大膳なにしにいつはりを申べき仔細しさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
併し右衞門佐逆意云々はいつはりきまつた。此上はかやうな申立をしたわけを明白に申せと云ふ事である。利章は答へた。諫書其外の申立を正當と御認めになつたのは難有ありがた爲合しあはせである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
夫れいつはりの顏あるまことについては人つとめて口を噤むを善しとす、これ己に咎なくしてしかも恥を招けばなり 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「親分。今日のは現にあつしが此眼で見て來たんだから嘘もいつはりもねえ。あの兩國の海女あまが水槽へ飛込むと——」
いつはりまちすまへば
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
されど我汝を戒む、たとひ是と異なるわがまちの由來を聞くことありとも、汝いつはりをもてまこととなすなかれ 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いつはりを申すな、——淺五郎は何處に居る」