假令よしや)” の例文
新字:仮令
見捨て逃出したる嫁に離縁状はやられぬと主人も申きけられことに今日は兩旦那りやうだんなとも留守るすではあるし假令よしやまたうちに御出なされて御はなし申た所がおやをつとに暇を呉た女へすぐ素直すなほに離縁状を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
假令よしやわれ男に生るとも、抱かば折るべき女には懸想けさうせざるべしといへり。われは覺えず失笑せり。想ふにサンタは話の理に墜つるを嫌ふ性なれば、始より我を失笑せしめんとて此説をなしゝならんか。
なすか又は家尻やじりにても切しならんかれは元浪人者だと云から表向おもてむきは一文貰ひ内職ないしよくには押込おしこみ夜盜よたうをするに相違なし兎角とかく然樣さうなければ金の出來るはずはなし假令よしや然樣なくとも我が胸算むなさんの相違なればきやつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むくはんと故意々々わざ/\つかはされたる此金なれば假令よしや其儘そのまゝ御受取なされたとて何の不義理があるべきぞ殊に今日も今日とて表の質屋しちやよりは度々の催促さいそくもしや流れに出る時はわづか十二三兩の金子にて大切の大小だいせう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)