何頃いつごろ)” の例文
「さうして、まづ何頃いつごろ彼方あちらと別にお成りあそばすお見込なのでございますの」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なし居たり時に大岡殿藤助に向はれ其方は油屋五兵衞方へ何頃いつごろより奉公ずみ致し又何頃いつごろ眼病がんびやうにていとまとりしやと申さるゝに藤助私し儀は十六歳の時より五兵衞方へ參り七ヶねん相勤あひつとめ候處昨年春中はるぢうより眼病を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
畔柳さんへ行つて、旦那が行つたか、行かないか、し行つたのなら、何頃いつごろ行つて何頃帰つたか、なあに、とをここのつまではきつと行きはしませんから。その様子だけ解れば、それで可いのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
定めつゝ再度ふたゝび長庵に打向ひ云はるゝ通り相違さうゐなくは如何にもして五十兩調達てうだつせん宜しく御たのみ申しますと聞て長庵大いに悦びいさゝか相違は仕つらずしからば何頃いつごろ受取うけとりに參るべきやと申にぞ千太郎は明後日あさつて來り給ひねと約束かためて別れを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さうして、それは何頃いつごろからの事でございます」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一向はぢ景色けしきもなく云ければ越前守殿は微笑ほゝゑまれ是は餘程拔作ぬけさくなりと思はれし故其儘そのまゝにして若い者重助へ向はれ其方年は何歳なんさいになるや何頃いつごろより五兵衞方に奉公致しるか有體ありていに申立よと云れしに重助はハツと答えて私し儀當年廿二歳にて幼少えうせうの時より五兵衞方へ參り最早もはや十年程相勤めまかり在候と申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)